喉頭がん[こうとうがん]

男性に圧倒的に多く、50〜60代に多くみられます。病因は明らかではありませんが、遺伝的素因のほかに、喫煙、大気汚染、飲食物による機械的刺激など、長期にわたる慢性刺激が誘因となって起こるとされています。

2週間以上しゃがれ声がつづく

声帯に発生するもの(声門がん[せいもんがん])、声帯の上方あるいは下方に発生するもの(声門上がん[せいもんじようがん]、声門下がん[せいもんかがん])があります。

声帯にがんができれば、早期から声がかれます。声帯より上のがんでは、声の異常は現れにくく、のどの違和感、異物感などのことが多いようです。声帯より下にできると、初期はほとんど無症状ですが、腫瘍[しゆよう]が大きくなると呼吸困難が起こってきます。

いずれにしても、がんが進行して潰瘍ができると、嚥下痛[えんげつう]を訴えて、病変が声帯まで広がると声がかれます。

中高年の男性で2週間以上、しゃがれ声、のどの異常感がつづくときは、一度耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。

初期に治療すれば、声帯を失わない

病変の部位、広がりの程度、患者の年齢、全身状態、職業などの条件によって、治療法が選択されます。早期のものでは放射線治療、レーザー手術が試みられています。限られた部位のがんなら声帯を残せる喉頭部分切除術が、進行がんでは喉頭全摘出術が行われます。いずれを選ぶかは、医師によって意見が多少異なるのが現状です。適切な治療が行われれば、一般に予後は良好です。

音声のリハビリテーション

喉頭全摘出術を行った場合は、音声機能を喪失することになりますので、コミュニケーションの障害に対する配慮が必要になってきます。

喉頭をなくしたときの代用音声は、食道発声、人工喉頭、電気喉頭がおもなものです。音声の性質からみて、優れているのは食道発声です。そこで、手術後は食道音声を獲得するためのリハビリテーションを指導しています。このため、肺からの空気を食道へ直接送る音声再建手術が試みられています。

(進 武幹)