慢性リンパ性白血病とは逆に我が国に特徴的に多く、レトロウイルスであるHTLV-1により発症 し、母乳による母子間、夫から妻への夫婦間や輸血で感染します。流行地の九州南部、沖 縄、五島列島などの長崎県西部、南四国では地域によっては25% 近い感染率を示し、これ らの地域の出身者を中心にわが国の大都市でも0.7%程度の感染率があります。ウイルス感 染者がすべて発病する訳ではなく、先に述べたように、ウイルスは発がんのきっかけになっているの です。感染者千数百人より年間一人の割で発病しています。末梢血中に白血病細胞が10万 /μL 以上に増加していても、骨髄生検では骨髄中に白血病細胞の見られない症例もあり、 最初の定義で述べた白血病とは異なります。そのため、骨髄外原発の悪性リンパ腫が白血 化したものと理解するのが妥当であり、そのため、新WHO分類でも成人T細胞白血病・リンパ腫と呼ばれる ようになりました。
4型に分類され、急性型は定型的なATLLで、末梢血中に核にクローバ様の分葉や切れ込 みのある特徴的な細胞が出現し、リンパ節腫大、皮疹、肝・脾腫、高カルシウム血症や免 疫能低下による感染症を伴い、予後は不良で通常1年以内に死亡します。慢性型は急性型 へ転化しないかぎり予後は良好です。くすぶり型では白血球数は正常ですが、異常細胞は 見つかります。悪性度は低く長期の経過をたどります。リンパ腫型は悪性リンパ腫であり、 急性型へ移行しやすく急性型についで予後不良です。HTLV-1抗体陽性、特徴あるリンパ球 の出現、出身地などにより診断は容易です。
ATLLは薬物治療に抵抗性であり、スタンダードな良い治療法はありません。悪性リンパ腫と 同様に治療しますが、免疫不全状態がより強いために合併症が多発するため、強力治療が 行えません。中・高年者に発症することから造血幹細胞移植療法もほとんどできません。ソブゾキサン(ペラゾリン)やペントスタチン(コホリン)が有効な症例も一部あります。