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1.脳腫瘍とは
一般的に脳腫瘍と表現した場合、頭蓋内あるいはやや範囲を拡大して脊柱管内に発生した腫瘍を総称して用いられていますが、実際にはその発生母地により組織学的には多種多様に分類されています。1993年に国際保健機構から発表された分類表では脳腫瘍の種類は実に100種類以上にも上っています。日本脳腫瘍全国統計委員会の資料によれば、脳腫瘍の年間罹患率は次第に増加の傾向を呈しており、現在では人口10万人に対して8〜10人程度と報告されています。好発年令は各腫瘍により異なりますが全脳腫瘍平均では55歳代がピークとなっています。脳腫瘍の種類と頻度では、神経膠腫が全脳腫瘍の34%で第1位を占め、第2位には髄膜種の23%、第3位には下垂体腺腫の16%、第4位の神経鞘腫9%と続きます。本邦ではこのほかに特に発生頻度の高い腫瘍として頭蓋咽頭腫の4.5%、胚細胞腫の2.3%が挙げられます。また、近年顕著な増加傾向が特記される腫瘍としては、頭蓋内原発悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍等が注目されています。また小児期の腫瘍発生頻度では、脳腫瘍は白血病に次いで好発し、特に頭蓋咽頭腫、胚細胞腫、髄芽腫等が多いとされます。脳腫瘍の治療法と予後は、腫瘍の種類によって異なりますが、近年の脳神経外科の診断技術や手術手技の向上により、予後は以前と比べて全般に良好となりつつあります。日常診療で比較的遭遇する頻度が高い脳腫瘍でも、その治療法の現状として、1)外科的な手法のみによって長期生存や寛解が得られる腫瘍と、2)外科的な手法のみならず放射線療法、化学療法などの補助療法を必要とする腫瘍があります。
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