胆管とは、肝臓で作られた胆汁(消化液の一種)を十二指腸まで流すための管で、その途中に胆のうがあります。これら全体を胆道(たんどう)と呼び、肝臓の中からはじまり、十二指腸にある胆管開口部(十二指腸乳頭といいます)までをさします。したがって、胆道がんには、厳密に言うと、胆管がん(胆管に発生する悪性腫瘍)、胆のうがん(胆のうに発生する悪性腫瘍)、乳頭部がん(胆管の開口部である十二指腸乳頭に発生するがん)の3種類があります。胆道がんは、厚生労働省の平成14年度の統計では、がんによる死亡のなかで、肺、胃、肝、結腸、膵についで6位でした。なお、胆のうがんの詳細については別項をご参照下さい。
胆管がんの症状として一番多いものは、黄疸(おうだん:目や体が黄色くなる)で、これはがんのために胆管の通りが悪くなり、胆汁があふれてしまうために起こるもので、閉塞性黄疸とも言われています。また、これに伴って体のかゆみが出たり、尿の色が紅茶のような濃い色になったり、大便が白っぽくなったりします。患者様を拝見していますと、黄疸そのものはご自身では気づきにくいことがありますので、尿や便の色の異常を感じたときは早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
胆管がんの治療法としては、現在、手術、化学療法(抗がん剤を使った治療)、放射線治療が主なものですが、今のところ治癒が望める可能性が一番高いのは手術です。手術の方法は、胆管が肝臓の中から十二指腸にまでおよぶ管という解剖学的な特徴から、がんが発生した部位によってさまざまです。例えば、肝臓のすぐ近く(肝門部から上部胆管がん)では、肝切除が必要になりますし、中部から下部胆管がんでは、下部胆管が膵臓と接していることから膵臓、十二指腸、場合によっては胃の一部までの切除(膵頭十二指腸切除といいます)が必要になります。中には広範囲におよぶがんもあり、その場合には肝臓の切除と膵頭十二指腸切除の両方が必要な場合もあります。いずれにしてもお腹の手術の中では一番侵襲(患者様の身体への負担)の大きい部類にはいる手術が必要な疾患です。そこで当科では、がんの広がりについて詳しい検査をおこない、綿密な評価のうえで、安全かつ治癒を目指した積極的な切除をおこなっております。さらに、術後に残念ながら再発した場合でも、十分な評価をおこなった後に、手術が可能であれば積極的に切除をおこなうこともあります。
一方、がんの広がりの範囲から手術が困難な場合や術後にがんが再発し、手術の適応がない場合でも、最新の知識に基づいて生活(生命)の質(Quality
of Life: QOL)を重視しながらの化学療法や放射線療法あるいはこれらを組み合わせた最先端の治療を入院および外来でおこなっております。また、ご希望に応じて院内のケースワーカーなど他部門とも連携した総合的な医療もおこなってまいります。
患者様はお一人お一人違いますし、また、がんの広がりもまたそれぞれ違います。われわれはこれらのことを常に念頭に置き、それぞれの患者様に最もあっていると考えられる治療をおこなうことを第1に考えております。どうぞお気軽にご相談ください。
我々は、どんなときでもあきらめず患者様の立場に立った医療を目指しております。したがいまして、われわれ自身がセカンドオピニオンの患者様を受け入れるだけでなく、患者様のご希望があれば他院へのセカンドオピニオンもおこなっておりますので、お気軽にお申し付け下さい。

肝門部、上、中、下部、全ての領域の胆管がん患者さんで、がんを切除できたのは全体54名のうち41名で、切除率は76%でした。がんが切除できた患者さん、切除できなかった患者さんの生存率を示します。切除できた患者さんの1年、3年、5年生存率は82%、42%、34%でしたが、切除できなかった患者さんではそれぞれ10%、0%と、切除できた患者さんと比べると明らかに不良でした。全国の統計調査では切除できた患者さんの1年、3年生存率は70%、37%でしたが、切除できなかった患者さんではそれぞれ22%、3%でした。
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