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胆道がん/目次
1 胆道がんとは
2 症状
3 診断
4 病期分類
5 治療法
6 治療成績
7 最後に
8.十二指腸乳頭がんについて(追記)
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1 胆道がんとは

 胆道とは、肝臓でつられる胆汁を十二指腸まで運ぶくだ(管)のことです。そのくだ(管)は肝臓の中を走り、合流し徐々に太くなり、左右の胆管(左右肝管)となります。そして、1本の胆管(肝外胆管)となり十二指腸の乳頭部につながっています(図1)。
図1途中に胆汁を蓄え、濃縮する袋が存在し、これが胆嚢です。胆汁は、老化した赤血球に由来し、老化赤血球代謝産物は、肝臓に運ばれ胆汁となり、胆道をへて十二指腸に注がれます。そして十二指腸で食物と混ざり、消化され便となります。便が茶色いのは胆汁とまざるためです。
 胆道がんは、上記に示した解剖のように胆道に発生するがんであり、胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がんに分類されます。
 1年に約10000の人が胆道がんで死亡し、がん死の約5%を占めています。日本は、世界的にみて頻度が高く、男性は第1位(2位はハンガリー)、女性はハンガリーについで第2位です(1983-1987年の統計)。男女比は、胆道がんでは男性が多く、胆嚢がんは女性に多い。また日本国内での死亡率は、東高西低であり、新潟県が男女とも第1位です。
 胆道がんの死亡率は、年々急増しており、発生率は年齢に比例し高くなっています。リスクファクターとして、胆石、胆嚢炎などがあげられる他、最近では膵胆管合流異常が注目されています。(本来胆管と膵管は別々に十二指腸にながれるが、膵胆管合流異常では、先天的に十二指腸に注ぐ前に胆管と膵管が合流している。)また胆石は、胆嚢がんのリスクファクターであり有症状者でのがんの発生は、無症状者にくらべて10倍です。胆石が胆管胆嚢粘膜へ直接に、物理化学的、細菌学的刺激を与えてがん発生母地をつくると考えられています。
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2 症状

(1) 黄疸
 最も多い症状は、黄疸です。胆道は、胆汁の通り道であるので胆道にできたがんは、胆道を閉塞し、胆汁は流れなくなります。するとがんによる閉塞部位より上流測の胆管は胆汁により拡張し、やがて行き場のなくなった胆汁は、胆管から血管に逆流します。そのため胆汁中のビリルビン(黄色いもと)が血液中に増加し黄疸となるわけです。胆嚢の場合は、がんが胆管に浸潤することにより胆管閉塞を起こし黄疸(閉塞性黄疸)をまねきます。
 1) 発熱
    うっ滞した胆汁に感染が起これば発熱を伴います。
 2) ビリルビン尿
   血液中のビリルビン値が上昇すると、尿から排泄されるようになります。従って尿は黄色くなったり濃くなったりと気づきます。
 3) 白色便
   通常、胆道を流れる胆汁は十二指腸乳頭をへて十二指腸に注ぎ、食物とまざり、その後消化されます。便が茶色くなるのはこの胆汁のためです。従って胆汁が閉塞して流れなくなると便は白くなります。
 4) 掻痒
   黄疸が高度となると、皮膚症状としてのかゆみ(掻痒感)が出現します。
(1) 疼痛
(2) 全身倦怠感
(3) 食欲低下
(4) 腫瘤触知
  (胆嚢がんでは初期はほとんど症状がなく検診などの対外式超音波などにより偶然発見されることが多い。胆嚢がんで有症状の場合は、胆石や胆嚢炎に由来しており、胆嚢頸部のがんは急性胆嚢炎を起こすことがあります。)
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3 診断

(1) 胆管がんでは、比較的初期から黄疸をおこすのでこの場合診断は容易です。
 黄疸を起こす前に、本人が尿の黄染や濃いことに気づくことや、血液検査の胆道系酵素の上昇で発見される場合もあります。
(2) 対外式超音波検査(US)
 がんによる閉塞部位より上流胆管の拡張を診断するのに有用です。この拡張のしかたにより閉塞部位を推測します。非侵襲的で外来で施行可能であり第1選択の検査法です。
(3) 超音波内視鏡検査
 胃内視鏡(胃カメラ)の先端に超音波観測装置が付いているもの。胆道に近い十二指腸から高周波の超音波でスキャンするため対外式超音波検査より明瞭な描出が可能です。腫瘍の存在部位および周囲への伸展(広がり)を診断します。
(4) 腹部CT検査、MRI検査
 対外式超音波検査と同様腫瘍の存在部位の他、周りへの広がり(浸潤)を診断できます。
(5) ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)
 内視鏡を十二指腸まで挿入し、十二指腸乳頭から細いカテーテルを胆管に挿入し、造影剤を注入し直接胆道を造影する方法です。腫瘍の存在部位が正確に診断可能です。主に腫瘍にて閉塞している部位より下流測の胆管像がえられます。
 管腔内超音波検査法(IDUS):上記検査に引く続き十二指腸乳頭から細径の超音波プローブ(直径2mm)を挿入し胆道をスキャンする方法。腫瘍の広がりを細かく診断する方法です。
(6) 経皮経管胆道造影(PTC) 、経皮経管胆道ドレナージ(PTCD)
 がんによる閉塞部位より上流の拡張した胆道に、皮膚および肝臓を貫いて細い針をさし、造影剤を注入し胆管像をえることにより診断する方法。
 この検査に引く続き黄疸を改善する目的にチューブを胆管内に留置し、胆汁を体の外に出す処置(経皮経管胆道ドレナージ:PTCD)を通常行います。
 後日、チューブを拡張し胆道鏡(経皮的に胆道をみる専用の内視鏡)を挿入し腫瘍を直接観察したり組織を採取したりしてがんの広がりを診断する方法です。
(7) 血管造影検査
 腫瘍の診断や、術前に腫瘍による周囲血管への影響をみるのに有用です。
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4 病期分類

 胆道がんの取り扱い規約により胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がんともI〜W期に分類されている。
胆管や胆嚢では、壁内に腫瘍がとどまるものがI期U期であり壁をこえて隣接する臓器やリンパ節へ広がっている場合をV期、それよりさらに広がっている場合や、お腹(腹膜)に腫瘍細胞が入り込んでいる場合はW期です。
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5 治療法

 病期を正確に診断したうえで治療法を決定します。基本的にI期、U期では外科的に切除をV期、W期では、可能であれば外科的切除を病巣の広がりが大きく不可能であれば、内科的に閉塞した胆管にステント(プラスチック製、金属製)を埋込み、黄疸をでない状態にする方法を試みます。ステントは埋め込まれるため、入浴なども自由となります。ステントの埋込みかたには、皮膚から肝臓を経由して埋め込む方法と、内視鏡を使用して、経乳頭的に埋め込む方法の2通りあります。腫瘍に対して、化学療法や放射線療法を組み合わせることもあります。
(1) 外科療法
 胆道腫瘍に対する外科的な手術は、腫瘍の存在部位により選択されます。特に胆管がんなどで肝臓の近くにできた腫瘍の場合には、肝臓も含めた広範囲な切除が必要とされ、手術も困難な手術が必要となりますので、専門医に相談が必要です。逆に腫瘍のできる部位が、十二指腸測である場合は、膵臓の頭を含めた手術が必要となります。
(2) 化学療法
 抗ガン剤ですが、投与方法には、経口的、頚静脈的、頚動脈的とあり病体に応じて選択します。まとまった報告がなく化学療法が胆道腫瘍にどの程度効果を有するかは今後の検討課題です。
(3) 放射線療法
 内科的にステントを留置している場合に併用することがあります。胆管がんなどで腫瘍によりステントが閉塞するのを防ぐ目的で放射線の照射をおこなっています。
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6 治療成績

 胆管がんの病期I期では、生存率100%、U期でも5年生存率85.7%と良好な成績が得られています。V期、W期では、2年生存率は約53%で、中には3年と長期生存中のかたもいらっしゃいます。胆嚢がんも、I期では、100%生存でU期でも3年生存率82%、5年生存率65%です。V期、W期で最長2年生存中のかたもいらっしゃいます。(1990年から現在に至る当院での成績)
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7 最後に

 できるだけ、I期、U期の状態で適切な治療をうけることが必要です。症状がなくても検診で胆管の拡張や、胆嚢壁があつくなるなどの異常を指摘された場合は、すすんで二次的な精密検査を受けるように、また黄疸や濃くなった尿に気づいたときは、すぐに病院に受診するようにすることが大切です。


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8.十二指腸乳頭がんについて 【図はクリックして拡大できます】
十二指腸乳頭部癌について 図はクリックして拡大できます
十二指腸乳頭部癌の特徴と解剖について 図はクリックして拡大できます
十二指腸乳頭部癌の治療について 図はクリックして拡大できます
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