大腸がんとは??食生活の欧米化に伴い、日本でも欧米諸国に多い大腸がん、直腸がんが非常に増えています。自分では「痔」だと思っていたら検査の結果は「がん」だったということはよくあります。そのため成人病、及ぴ老人病検診の中に大腸がん検診が導入されることになりました。幸いなことに、大腸がんは他の臓器の癌に比べて比較的転移の傾向が遅く、早期発見、早期手術によって完治する確率が高いといわれてます。従って、
・便に血が混ざっている
・排便後にまだ便が残っているような感じがする(残便感)
・便秘、下痢を繰り返す
このような症状のある方は大腸の検査を受けることが賢明です。成人病検診で胃の検診を毎年受けるように大腸がん検診も積極的に受けることが大切です。
先日、新聞にこんな記事がありました。大腸がんの早期発見のための便潜血検査を毎年受けていて、結果が「陰性」だったので、「今年も1年安心して過ごすことができる」と思っていたら、ある日突然下血して、近くの胃腸科で大腸内視鏡検査を受けたことろ、進行がんが発見されたというものです。
「どうして?」と思うかもしれませんが、便潜血反応とは、文字の如く、「便に血液が付着しているか、いないか」の判定に過ぎません。つまり、「大腸がん=便潜血陽性」ではありません。腫瘍があっても、出血していなければ、検査の判定は「陰性」になってしまいます。
では逆に、「便潜血陽性=大腸がん」でしょうか?これも違います。便潜血陽性のほとんどは、痔核や、裂肛などの肛門の病気が原因となっている事が多いのです。その中に希に大腸ポリープや大腸癌が発見されるのです。さらには、胃潰瘍や、十二指腸潰瘍でも、出血していれば、血液が消化管を流れて「陽性」になることも珍しい話ではありません。若いからといって安心とは言えません。時には20代、30代のがんが見つかることがあります。現在の内視鏡は「電子内視鏡」といって、精度も向上し、以前と比べて余り苦痛もなく検査が受けられます。当院では毎日4〜5人の内視鏡検査をしています。良性と思われるポリープなどは、かなりの割合で発見されます。その中には将来悪性になる、つまりがんになる可能性のあるものも含まれています。
そのような場合、1〜2年後には再度検査をして経過をみることになります。一度の検査で異常が認められなかった方は、大腸がんの検査は2年に一度の検査で充分であると、一般的に言われています。なお、がんはもちろんのこと、切除の必要のあるポリープなどが見つかった場合には、それらの治療が可能な病院に紹介します。この件に関しては病診連携についての項をご覧ください。当院で平成5年から内視鏡検査を行い、最近では、約4%の患者さんにがん、あるいは、がんの疑いがある患者さんが見つかっております。その場合は手術可能な施設をもつ病院を紹介するわけですが、幸いなことに、手遅れと思われる末期がんよりも早期がんの方が多く、「お陰様で無事に退院が出来ました。」と、にこにこしながらご挨拶に来る方も沢山いらっしゃいます。早期発見、早期治療、その重要性がご理解いただけると思います。
体のどこかに異常を感じたらば年齢に関係なく診察を受けることが大切ですが、特に40才を過ぎた方は、年に1度の成人病検診を受けることをお勧めします。
また、大腸がんに関する質問も多数寄せられ、その一部を公開しました。→大腸がんQ&A集
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