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1.腎細胞がんとは
腎臓は、みぞおちの高さの背中側に背骨をはさんで左右一対ある臓器で、ソラマメのような形をした長さ10
cm、幅5cm、厚さ3cm程度の大きさの臓器です。主な働きは、血液をろ過して尿を作り、体の水分量の調節や不要な物質の排泄をすることで、他に、血圧のコントロールや赤血球を作ることに関するホルモンの産生なども行っています。
腎臓には、液体のたまった腫瘤(嚢胞状腫瘤)と細胞の詰まった腫瘤(充実性腫瘤)が発生します。腎臓の嚢胞状腫瘤は超音波(エコー)検査でよく発見され、腎臓では最も多くみられる腫瘤ですが、その大部分は腎嚢胞と呼ばれる良性の腫瘤で、特殊な例を除けばがんとは特に関係ありません。腎臓の充実性腫瘤には、腎細胞がんや小児に発生するウイルムス腫瘍、稀にみられる腎肉腫などの悪性腫瘍と、腎血管筋脂肪腫、オンコサイトーマなどの良性腫瘍があります。腎臓の充実性腫瘤の中で最も多くみられるのが腎細胞がん(いわゆる腎がん)で、以下では、この腎細胞がんについて詳しく述べます。
腎細胞がんは、人口10万人に2-3人程度に発生し日本でも増加傾向にあり、男性は女性の2-3倍多く発生します。がんの中では非常にゆっくりと大きくなるタイプが多いのですが、急速な悪化を示すタイプもみられます。静脈の中に腫瘍が広がる(腫瘍塞栓)傾向がつよく、他の臓器への転移を生じ易いがんです。転移は肺、骨、肝臓、脳、リンパ節に多くみられます。化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療が効きにくいのも特徴の1つで、インターフェロン、インターロイキン2などを用いた免疫治療がよく行なわれています。
最近、遺伝子の研究が進み、腎細胞がんの発生に関ると思われる遺伝子が明らかにされつつあり、また遺伝子治療の一つのターゲットとしても注目されています。
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