| 5.食道がんの診断
食道がんの診断にはまずX線検査と内視鏡検査が行なわれます。X線検査は進行状況と病変の位置を見るのに適しているのに対し、内視鏡検査は表面的で小さながんの診断に適しています。内視鏡検査でがんが疑われた場合には、ヨード液を使った検査が追加されます。ヨード液をかけますと、正常な食道は黒く染まりがんの部分は染まらずに黄色な領域として認められます。最終的には疑わしいところから2mmほどの小片をつまんで、がん細胞の有無を顕微鏡で調べます(これを生検といいます)。
がんの存在が確認されますと、次にはがんの進行度の検査が始まります。
がんの深さを調べるには、CT検査と超音波内視鏡検査が用いられます。CT検査では主に周囲臓器への浸潤の有無を検討します。超音波内視鏡はがんの深さをより高い精度で調べられ、特に表在がんの診断に威力を発揮します。ある程度進行したがんが気管と接する場所に存在するときには、気管支ファイバースコープで気管の中を観察し、食道がんの影響がないか調べることもあります。
リンパ節転移がないか調べるときもCT検査と超音波内視鏡検査を行ないます。CT検査は頸部から腹部までの1cm以上のリンパ節転移の検索に役立ちます。一方超音波内視鏡は食道周囲の小さめなリンパ節転移の検査に用いられています。このほか頸部超音波検査も頸部リンパ節転移の検索には必須です。
転移は身体の至る所におこります。食道がんの転移しやすい臓器は、肺、肝臓および骨です。肺転移の検査は普通のレントゲン写真とCT検査でおこないます。肝臓転移はCT検査か腹部超音波検査を用いて調べます。背中など身体のどこかに痛みがある場合には、骨への転移を検査するためアイソトープ(放射線物質)を用いた骨シンチという検査も行ないます。食道がんの場合、脳に転移することは滅多にはありませんが、必要に応じて脳のCT検査かMRI検査(磁気を利用した画像診断)を行なうこともあります。
さらに、治療方針を決定するためには患者さんの状態を知ることが大切です。そのため、がんの進行度の検査と平行して、心臓、肺、肝臓、腎臓といった内臓の機能を調べる検査も行ないます。
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