子宮頸がん |
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子宮頸がんの治療方針のまとめを示します(図3 )。
上皮内がん(0期)、微少浸潤がん(IA期)においては、単純子宮全摘術が治療の原則です。これにより高い治癒率(0期ではほぼ100%)が得られます。しかし、若い世代の患者には、妊孕性保持の目的で、保存的治療が積極的に行われています。近年の全国集計でも、上皮内がんに対する治療は、保存的治療が子宮全摘術を頻度的に上回るようになっています。保存的治療は、円錐切除またはレーザー治療(あるいは両方)を指し、子宮頸部に対してのみ治療を行い子宮は温存されます。

IB期以上の手術可能症例(通常2期までを指す)に対しては、広汎性子宮全摘術及び骨盤リンパ節廓清を行います。本術式は、単純子宮全摘術では行わない膀胱子宮靱帯、基靱帯等の処理を行い、子宮周辺の組織を幅広く切除します。その結果、膀胱及び直腸関連の神経が広範囲に切断される場合があり、術後これらの障害が問題となる場合があります。3期の症例は一般的には放射線療法が単独で行われ、IV期症例には化学療法が行われる場合が多いと考えられます。しかし、ネオアジュバント化学療法などで、腫瘍の縮小を計った後、根治手術を行う場合や、放射線療法と同時に化学療法を行う(コンカレント化学療法)など、新しい治療法が多数登場しています。
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子宮体がん |
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一部の早期の症例にホルモン療法による子宮温存療法が可能であるが、原則として子宮の摘出が行われます。手術可能症例に対しては、子宮全摘、両側附属器切除に加えて骨盤内及び傍大動脈リンパ節廓清が標準的な術式です。ただし、2期症例に広汎性子宮全摘術を行う施設も多いです。

子宮体がんにおける所属リンパ節は、骨盤内リンパ節と傍大動脈リンパ節であり(子宮頸がんでは骨盤内リンパ節のみ)、両方の廓清が必要と考えられています。しかし、がん浸潤の浅い早期のもの、何らかの合併症を有する症例などに、リンパ節廓清を省略する場合があります。

3期またはIV期の、治療開始時に既に広汎な転移を認める症例においては、まず化学療法を行い、その後手術が可能になる範囲まで腫瘍が縮小する場合に、治療効果が期待できます。 |
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術後療法 |
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リンパ節転移を有する症例、あるいは浸潤の深さ、腫瘍の大きさなどにより再発率が高いと考えられる症例に対しては、術後補助療法を行います。これらのハイリスク症例に対して、かっては放射線治療が広く行われていましたが、今日では化学療法(抗がん剤投与)が主体です。

通常、一ヶ月に1クール、個々の症例の重症度により3-7クール前後の化学療法を施行しています。但し、特に子宮頸がんにおいては、現在でも術後放射線治療を施行する施設も多く、その場合は体外照射を骨盤部に50Gy前後行います。 |
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治療成績と予後因子 |
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子宮頸がんにおいては、まず第一に正確な臨床進行期の決定が予後推定に重要と考えられます。
0-IA期までの比較的早期の症例では、円錐切除で進行期の決定を行うが、手術療法によるこの臨床進行期での再発はかなり稀です。子宮温存療法における再発率は、0期で5%前後と考えられますが、生命予後まで侵されることは極めてまれで、これらの症例に再度温存療法を試みることも可能です。

IB期以上の症例では、腫瘍の大きさとリンパ節転移の有無が重要な因子で、現在IB期は腫瘍直径4cm以下のIB1期と4cmを越すIB2期に分類され、両者の間に大きな予後の差があることがわかっています。また、扁平上皮がんと腺がんの比較では、後者の方が腫瘍の進展が早く、予後も前者にくらべて不良と考えられています。

進行症例である3期においては、手術が不可能であるが、扁平上皮がんの場合は放射線の感受性がよく、放射線治療単独で50%前後の5年生存率が確保されます。遠隔転移を有するIV期症例はかつては絶望的と考えられてきましたが、抗がん剤治療の進歩により、腫瘍縮小後の根治治療が行われる症例もでてきています。

子宮体がんでは、組織の分化度が重要な予後因子となっている。子宮体がんの腫瘍組織像は、腺腔部分と充実部分よりの構成となっており、充実部分の多い程予後不良となります。手術でのリンパ節転移の有無、卵巣転移の有無も重要で、これらにより大きな予後の差がみとめられます。 |
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リンパ節廓清の必要性 |
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子宮体がんにおいては早期の症例にリンパ節廓清を省略しようとする動きも見られます。リンパ節廓清を省略できれば、リンパ浮腫などの問題も解決され、患者のQOLも改善されることになります。
しかし、リンパ節転移の有無を術前に察知するのは容易ではなく、リンパ節転移の有無により予後に大きな差があることが知られています。また、リンパ節転移があっても術後適切な治療をすれば、かなりの生命予後が得られることもわかってきています。従って、リンパ節廓清は、実質的な転移巣を除去する意味と、リンパ節転移を有するハイリスク群を同定し、これに対する補助療法をガイドするという役割を持っているといえます。 |