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| II. 子宮頚がんの問題点 |
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1.子宮頚部異型上皮について |
| 1)子宮がん検診について |
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がんの早期診断の目的で近年様々ながん検診が行われています。子宮がん検診は子宮頚がんの早期診断の目的で広く行われており、最も予後の改善に寄与したがん検診の一つです。子宮頚がんの検診には、子宮頚がんの診断にも行われる子宮頚部細胞診が一般的ですが、その検診としての有用性は明らかです。
当院治療症例でも上皮内がん(0期)は1970-1980年代には20%前後でしたが、1990年代には約40%で微小浸潤がんを含めると約50%は早期診断できたことになります。当院は比較的浸潤がん進行がんや浸潤がんが多い施設であることを考えれば考えると、現在は子宮頚がん患者さんの半数以上が上皮内がんで診断されていると考えられます。 |
| 2)診断 |
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子宮頚部細胞診の結果は以下の図のように判定され、クラスIIIaの疑陽性以上の方が子宮がん検診の精密検査の対象になります。細胞診結果がクラスIV-Vで子宮頚がんの可能性が高いと言われた方は「I.
子宮頚がんについて」をご覧下さい。 |
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子宮頚部異型上皮はがんではないけれども正常でもない状態です。がんの前段階・前がん病変とされていますが、言い換えれば正常の人よりは子宮頚がんになる可能性が高い状況です。がんでないので浸潤・転移する性質はなく、生命を脅かすことはありません。下に当院の統計を示しますが、子宮頚部異型上皮は確実にがんになる訳ではなく、自然に消失する可能性が軽度異型上皮では約80%、一番がんに近い高度異型上皮でも約10%あります。 |
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クラスIIIa |
クラスIIIb |
クラスIIIb |
子宮頚部異型上皮の予後
(愛知県がんセンター統計) |
軽度異型上皮 |
中等度異型上皮 |
高度異型上皮 |
| 5年 |
10年 |
5年 |
10年 |
5年 |
10年 |
| 自然に消失する可能性 |
67.80% |
79.40% |
41.30% |
49.30% |
12.30% |
19.10% |
| 子宮頚がんに移行する可能性 |
7.70% |
9.80% |
33.80% |
39.90% |
63.20% |
73.10% |
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| 3)方針 |
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以上の様に、子宮頚部異型上皮は必ずしも子宮頚がんになる訳ではありません。当院では原則として経過観察をお勧めしておりますが、治療を希望される患者さんや、将来妊娠・出産を希望される患者さん等には、治療をお勧めする場合があります。最適な治療は手術(子宮頚部円錐切除・子宮全摘)ですが、患者さんの御希望を含めて相談して決めています。
妊娠中に異型上皮が見つかった、また腺異型上皮等特殊な異型上皮がみつかったなどの場合には、受診して相談いただけましたら幸いです。 |
| 2.子宮頚部腺がんについて |
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最近子宮頚がんの子宮頚がんの傾向として、患者さんの年齢の若年化と子宮頚部腺がんの増加が挙げられます。当院治療症例でも子宮頚部腺がんは増加してきており、1996-2000年の間で子宮頚がん全体の約15%、浸潤がんの約20%を占め、最近はさらに増加傾向にあります。一般的な子宮頚がん(扁平上皮がん)との主な違いは、1)子宮がん検診で早期発見につながりにくい、2)卵巣転移の頻度が高いなど蔓延形式が異なる、3)放射線治療の効果が小さい、の3点です。子宮頚部腺がんは扁平上皮がんに比べ治療しにくいがんですが、進行期I期までに治療すれば同等の予後が期待できます。 |
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1) |
子宮頚部腺がんは子宮がん検診で早期発見しにくい子宮がん検診の普及により、最近では子宮頚がんの約50%が早期診断されているます。しかし、子宮頚部腺がんは早期診断されることが少なく、最近でも上皮内腺がんで診断されるのは約3%、微小浸潤がんを含めても約15%で、大半は浸潤がんに進行してから診断されています。またII期以降の進行がんの比率は扁平上皮がんと同等であることから、子宮頚部細胞診による子宮がん検診は、子宮頚部腺がんの早期診断につながりにくいと考えられています。 |
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2) |
子宮頚部腺がんは蔓延形式が異なる子宮頚部扁平上皮がんは一般にリンパ行性や血行性に蔓延しますが、子宮頚部腺がんはこれらに加え播種性に腹腔内に蔓延します。特に卵巣転移は扁平上皮がんに比べて高頻度で、子宮頚部腺がん全体で約6%、直径3cm以上の腫瘍で約10%、直径5cm以上で約30%に転移を認めます。 |
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3) |
子宮頚部腺がんは放射線治療の効果が小さい子宮頚部扁平上皮がんの標準治療は手術か放射線治療またはこれらの併用で、手術せずに放射線治療だけでも手術と同等の治療効果を期待できます。しかし子宮頚部腺がんでは扁平上皮がんほど放射線治療が奏効しないため、進行期に関わらず手術をできるだけ選択しています。このため子宮頚部腺がんは扁平上皮がんに比べて予後が悪いと考えられていますが、リンパ節転移等の子宮外への進展がなければ、治療成績は扁平上皮がんと同等で、十分な予後が期待できます。 |
| 以上子宮頚部腺がんの主な特徴を述べましたが、詳細につきましては来院の折婦人医にお尋ね頂けましたら幸いです。 |