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肝臓がん
●原発性肝がん・・(1)肝細胞がん
●原発性肝がん・・(2)胆管細胞がん
●転移性肝がん |
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本疾患は我が国男性のがん死亡の第3位を占めており男女比は約3:1ですが、近年、女性にも増加しています。一般に肝臓がんといわれているものの多くはこの病気です。我が国は肝炎ウイルスの汚染国であり、約300万人の方がB型、C型肝炎ウイルスに感染しています。そしてこのウイルスは高い確率で慢性肝炎、肝硬変を引き起こしますが、その過程で肝臓がんが発生します。長期間におよぶ大量の飲酒も肝障害を招き、ときに肝臓がんを引き起こしますが、ウイルス肝炎の方がより多く肝臓がんを招来します。このように肝臓がんは他の多くのがんと違ってどのような方が罹りやすいかが分っています。また、肝臓の悪い方でも肝臓がんにならないようにする方法が進歩してきました。したがって、ご自分が肝炎ウイルスに感染しているかどうか、また肝機能が正常かどうかということを知っておくことは肝臓がんの予防や早期発見に大変重要です。血液検査で簡単に分りますので、是非、もよりの病院、診療所で検査を受けられたらよいと思います。そしてもし、陽性ということであれば、肝臓がんに罹患していなくても肝臓を専門とする医師の診察を受けられることをお勧めします。勿論、当科に来ていただいても結構です。当院消化器内科(肝臓内科)と連携して診療にあたらせていただきます。 次に、肝臓がんにすでに罹患した場合の治療について述べます。肝臓がんの治療の進歩は目覚しく、決して諦めることはありません。肝臓がんに対する主な治療には、がんを切り取る肝切除、肝移植などの外科治療、がんを焼灼、死滅させるラジオ波、マイクロ波、エタノールなどを用いた治療、がんを養っている動脈を詰める肝動脈塞栓療法、抗がん剤治療があります。それぞれの治療法には一長一短がありますので、患者様とがんの拡がり、一般状態、肝機能などについて対話を重ねつつ、最も適切な治療法を選択しています。適切な治療法を選択しています。肝切除は年間60-90例(2006年は90例)を行っており、都内でも高位にランクされております。多くの患者様は癌の進行度や肝機能などからラジオ波治療などの内科的治療よりも外科治療(切除)が適切であると内科医に判断されて当科に紹介されております。切除を受けられた患者様の3年生存率は約73.6%、5年生存率は約64.6%と、良好な成績を挙げております。他の病院で手術不能とされた患者様についても手術可能な場合がありますのでご相談ください。さらには小型で肝表面の肝臓がんに対しては小さな傷でカメラを用いて行う鏡視下肝切除も積極的に行っており、すでに30例以上に施行しています。術後の痛みも軽微で約10日で退院されます。全員の患者様は順調に退院され、3年生存率は約80%です。また、外科といえども上述したように患者様の状態に応じて種々の治療法を行っており、ラジオ波などの治療;約10例、肝動脈塞栓療法;約30例、抗がん剤治療;約20例を行っています。抗がん剤治療についてはインターフェロンなどの保健適応外治療も本院当該委員会の承諾のもと患者様の経済的負担を軽減する形で行うことが可能です。肝移植につきましては平成16年1月より、がんの進行が一定度以下(大きさが3cm以下で個数が3個以内、又は5cmで単発)の場合には保険適応となりました。京都大学移植外科の協力のもとに行っていますので是非ご相談ください。

肝細胞がんに対してのはじめの治療として肝臓切除手術を行った260人の患者さんの生存率を示します。
1年生存率、3年生存率、5年生存率はそれぞれ87.1%、70.0%、60.3%でした。全国の統計調査での1年、3年、5年生存率はそれぞれ88%、70%、54%でした。従って、当科では全国統計と比較しても良好な治療成績をあげているといえます。
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原発性肝がんの約5%であり、肝細胞がんに比べてその発生頻度は低率ですが、徐々に増加しております。肝細胞がんと異なり肝臓疾患の既往のない場合が多く、中―高年の方に突然発症します。男女差はあまりありません。症状は上腹部痛、発熱、黄疸などですが、自覚症状が殆どなく、血液検査、超音波検査などで発見されることもあります。進行が比較的早く、そのため発見時には手遅れのことも少なくなく、肝細胞がんに比べて一般に予後は不良です。しかし、殆どの患者様では肝臓の機能が良好ですので、多少、がんが進行していても手術が可能です。肝細胞がんと異なりラジオ波、肝動脈塞栓療法などは無効であり、抗がん剤治療についてもまだ適切な薬剤がなく大きな治療効果は期待できません。したがいまして外科治療が唯一の治療法であり、私たちは安全性の許すかぎり手術による根治療法を目指しております。

当科で肝内胆管がんの患者さんの手術を行い、がんを切除することができた患者さんは64.8%(切除率)でした。切除することができた患者さんと切除することができなかった患者さんの生存率を示します。切除できた患者さんの1年生存率は1年、3年、5年生存率は各々75%、50%、50%でした。これに対して、切除できなかった患者さんでは1年生存率、3年生存率はともに0%でした。全国統計では、切除患者さんでは1年、3年生存率はそれぞれ、69%、44%、非切除患者さんでは30%、11%でした。
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他の臓器に発生したがんが肝臓に転移した場合、この肝臓のがんは転移性肝がんと呼び、上述した原発性肝がんと区別をしています。種々のがんが肝臓に転移しますが、とくに多くみられるがんは大腸がん、胃がん、膵臓がんです。転移性肝がんは原発臓器のがんの診断と同時に発見されることもありますが、原発臓器のがんが手術で取り除かれた後(数ヶ月―数年後)に発見されることも少なくありません。したがいまして、大腸がん、胃がん、膵臓がんなどの手術後には必ず定期的に医師の診察を受けて転移の有無をチェックすることが大切です。私たちは院内の大腸外科、食道胃外科などとの協力体制を緊密にして診断・治療に臨んでおります。
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